恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



至近距離なことに恥ずかしくなって、顔をうつむかせながら、バッグからチョコを出す。



「昨日、バレンタインだったから! 三吉くんにもあげる!」

「え? いいの?」

「うん……!」



渡すだけなのに、緊張してドキドキする。
だけど三吉くんが笑顔で受け取ってくれて、気持ちが和らいだ。



「い、行こっか!」

「おう」



よかった、受け取ってもらえて。
美味しいって思ってくれたら嬉しいなあ……。


なんて、頭の片隅で、三吉くんが笑顔でチョコを食べてくれてることを想像しちゃったりする。


そう考えるだけで、胸が温かくなって。
ふわふわした気持ちになる。




< 58 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop