恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
静かな図書館のなかに、カリカリ……とシャーペンで文字を書く音が、たくさん響いている。
長机を挟んで、向かい合って座る私と三吉くん。
ちらちらっと、つい気になって、勉強してるふりで三吉くんのことを盗み見してる自分がいた。
なんでだろう、三吉くんのことを見ていると、やっぱり胸がほっこりする。
真剣そうな顔をして、シャーペンをせわしなく動かしている三吉くん。
そんな彼の黒い髪は、夕日に当たって茶色く見える。
気がつけば彼をずっと見ていたらしくて、顔を上げた三吉くんとばちっと目があってしまった。
その瞬間、私の頬が熱く、赤くなっていくのがわかった。