恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
どうしようか迷っていると、三吉くんは『ふ』と鼻で笑った。
は、恥ずかしい……!
さっきよりもさらに顔が熱くなって、平然をよそおうためにうつむく。
自分のノートのうえのほうに伸びてきた、三吉くんの右手。
握ってるシャーペンで、なにか文字を書いている。
〝わからないところあった?〟
男の子なのに、丸くてちょっと可愛い三吉くんの書いた文字。
反対向きに書いてあるのに、上手。
そんなことを思いながら、その言葉に首を横にふる。
すると目のまえに座る三吉くんは、また笑った。
〝今日は何時まで平気?〟
今日……?
図書館は7時に閉館するけど。
もしかして、そのあと……ってこと?
なにがあるんだろうって淡い期待を抱きながら、三吉くんの書いた文字の下に、〝8時〟と書いた。