恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
真っ暗な裏道だけど、いつもより月が大きくていつもより星が輝いていて、それに隣に三吉くんがいるから、怖くない。
こっちって……駅のほうだよね。
駅まえはたくさんお店とかがあるから、どこに行くのかは想像がつかない。
ただ、心配なのは。
駅まえの図書館から帰るあのふたりと、はち合わせしてしまいそうなこと。
……きっと、大丈夫。
そう思っても、いまはいろんな意味でドキドキしている。
「キコ、寒くない?」
「うんっ」
目が慣れると三吉くんの顔もよく見える。
「ねえ、どこに行くの……?」
「きれいなところ」
「きれいなところ?全然わからないよ」
「まあ、楽しみにしてて」
きれいなところってどこ……?
でも、きっといいところには違いない。