恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



真っ暗な裏道だけど、いつもより月が大きくていつもより星が輝いていて、それに隣に三吉くんがいるから、怖くない。


こっちって……駅のほうだよね。
駅まえはたくさんお店とかがあるから、どこに行くのかは想像がつかない。



ただ、心配なのは。
駅まえの図書館から帰るあのふたりと、はち合わせしてしまいそうなこと。

……きっと、大丈夫。



そう思っても、いまはいろんな意味でドキドキしている。



「キコ、寒くない?」

「うんっ」



目が慣れると三吉くんの顔もよく見える。



「ねえ、どこに行くの……?」

「きれいなところ」

「きれいなところ?全然わからないよ」

「まあ、楽しみにしてて」



きれいなところってどこ……?
でも、きっといいところには違いない。


< 63 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop