恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



道が開けてくると、目のまえに見えた駅は、いつもと違って。
色とりどりの電飾で、あたり一面がきれいに飾り付けられていた。


驚いて開いた口から、『きれい』と言葉がこぼれる。
だって、本当にきれい。



こんなイルミネーションやってるなんて、知らなかったなあ……。



「すごいね……」

「な、きれいだろ?」

「うん!」



イルミネーションのなかでも目立つのは、ロータリーのまんなかの〝Happy Valentine〟の文字とそれを囲む大きなピンクのハート。


そういえばこの駅は、クリスマスとかそういうイベントのとき、すごいきれいに飾り付けられていたっけ……。



「連れてきてくれてありがとう」

「キコが喜んでくれたなら、よかった」



満面の笑みの三吉くんを見ると、思わず口元が緩んで自然と笑顔になってしまう。


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