恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
でも、こうして元気になってくれたのならよかった。
「あのね、希子……」
そう思っていたけど、莉子は悲しそうな目をしながら声をかけてきた。
「どうしたの」
「……う、ううん! なんでもない」
「そう?」
「うん」
なにか言いたげな顔をしているから、なにを言おうとしたのか、余計に気になってしかたない。
「じゃあ、戻るね」
「うん!」
そう言って莉子は、部屋から出て行った。
うーん。
莉子が好きになる男の子ってどんな子なんだろう……?
三吉くんの想像もつかない。
それにしても、あたしは恋してる莉子がちょっと羨ましい。
あれから、やっぱり彼はいないから。
もう……今度こそ忘れてしまおう。