恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「んーっ、おいしい!」
「それでね、中田(なかた)ってば……」
パフェを美味しそうに食べる実鈴に、愚痴をこぼす芽依。
テーブルのうえにはノートひとつ開いてない。
うん、予想どおりって言うか……。
このメンバーで勉強するって言っても、やるわけないもんなあ。
「希子! 聞いてる!?」
「き、聞いてるって」
それで、なんだっけ。
芽依の隣の席の中田くんがちょっかいしてくることが嫌だって、話だったっけ?
だけど、いつもいつも中田くんの話を出す芽依は、嫌そうと言うよりかは嬉しそうに見えるんだけど……。
「きーちゃん、食べないの?」
「食べる!!」
実鈴に取られそうになるショートケーキを食べながら、芽依の話にコクコクと小刻みにうなずく。