恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
食べる手を止めて、テーブルのうえに問題集とノートを開く。
あたしの斜めまえに座る実鈴は、さすがって言うくらいすぐに集中したけれど。
まえに座る芽依は、ちらちらっと男の子たちのほうを気にしている。
「芽依? めーい!」
「っえ!?」
あたしの声が芽依の耳に届くと、芽依はびっくりしたように小さく声を上げた。
「芽依、見過ぎ」
「だ、だれを!?」
「中田くん」
慌てている芽依がおかしくて、思わず笑みをこぼすと、芽依は恥ずかしそうに顔をうつむかせた。
「見てないし! 希子、もっと集中しなよ!!」
「芽依ちゃん、どうしたの?」
「なんでもないっ」
芽依は自分の気持ちに気がついてないのか、それともはぐらかそうとしてるのかはわかんない。