恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



「私、本当にただの貧血だよ。 そんな心配しないで」

「うん」

「希子、三吉くんの話を聞いてくれる?」



話を変えてくれた莉子の言葉に、『うん!』と笑顔でうなずく。
すると莉子はホッとしたように笑顔を返した。



「今週末ね、三吉くんと勉強の息抜きにモール行こうって約束したんだ。 お母さん、許してくれると思うかな?」

「そうなんだ! あたしがちゃんと伝えておくよ」

「ありがとうっ。 それでね、どんな服を着て行こうか迷ってるの……!」



頬を赤く染めてそう言う莉子は、〝恋してる女の子〟っていう感じで可愛い。



「変に着飾らなくて、いつもどおりの莉子でいいと思うよ」



そんな莉子に笑顔を向けて、そう返した。
恋って楽しいんだろうなあ。


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