恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
〝気になる男の子〟はいても、〝好きな男の子〟は小さいときの初恋以来はできたことがない。
友達の恋の話を聞くたびに、その子の気持ちになっちゃって、お腹いっぱいになるけど。
ドキドキしたりもやもやしたり、大変そうだけど楽しそうだな。
「そうかな! あー楽しみだなあ……」
「三吉くんってどんな顔をしてるの? 見てみたい!今度会わせて!」
いままで綻んでいた顔が、あたしの言葉に、急にこわばった。
なにか、悪いこと言っちゃったのかな……? って、不安になる。
「莉子、どうかした?」
「あ、いや、なんでもないよっ。 うん、今度ね……!」
苦笑いを浮かべた莉子に、聞きたいことがいっぱいあるのに。
なんだかこれ以上聞けない。