恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「おまえ、本当にばか」
「だって春馬が……」
「すげえ居心地悪くなったんだけど」
そう言われて、『ごめん』と小さな声で謝る。
春馬のせいだと思いたいくらいだけど、春馬のせいじゃない。
ちゃんと勉強に集中してれば、春馬はあんなことは言わなかっただろうし。
あたしだって逆ギレなんてしなかった。
だから、あたしのせい。
「移動するか」
「……うん」
春馬の不機嫌そうな調子の言葉にうなずいて、教科書を閉じて、荷物をまとめる。
過ぎたことはしかたない。
恥ずかしいけど、しかたない。
『はあ』と小さくため息を吐いて、席を立ち上がる。
そんなあたしを見て、春馬もすぐに立ち上がった。
出口に向かって歩き出す春馬に、急いでついていく。
さすがに……春馬も怒っちゃったよね。
すごく申し訳ないや。