恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
その意味がわかりそうでわからなくて。
まだ聞きたいことがあるけど、8時ちょうどに呼び鈴が鳴った。
「……行ってきます」
「行ってらっしゃい。 気を付けるのよ」
「うん」
どうしてそんなにも泣きそうなの。
わかりたくないことをわかってしまいそうで、怖いよ……。
玄関のドアを開けると、冷たい風が吹きつけた。
「はよ」
「おはよう」
「莉子は学校行かねえの?」
「……まだ、病院」
「そっか」
春馬は悲しそうな顔をしたまま、通学路を歩いていく。
左側に莉子がいないことに違和感を感じながらも、春馬の隣を歩く。
「莉子、大丈夫なのかよ」
「それがわかんないの。 お母さんも教えてくれなくて」
「じゃあ、放課後 病院行く?」
そんな春馬の言葉に、小さくうなずいた。