奇跡の歌姫【下】
恋の結末
結局、昨日のうちに咲ちゃんから電話はかかってこなかった。
連休明け、いつも通り制服を着て、でもいつもより遅く、家を出た。
いつもは始業時間の20分前には着いているけど、今日は遅刻寸前。
みんながもう着席をしている頃に到着した。
「愛歌ちゃん、おはよう!」
「おはよう、美波ちゃん。」
今の席は1番後ろの真ん中。
斜め前には美波ちゃん。
美波ちゃん以外は喋ったことのない男子。