腹黒い私の策略
「あれ?竹本さん、今日1限からじゃなかったっけ?」
だから当然、私が1限からだということはマサヒロだって知っている
「昨日なかなか寝つけなくて、寝坊しちゃった」
実際、急げば間に合う範囲の寝坊だったけど。
「ていうかさ、『竹本さん』ってなんか他人行儀じゃない?今更ながら」
本当に今更だね、と言って、少し黙るマサヒロ。
そうしていると思ったら顔を上げて
「『ヒカリちゃん』でどう?流石に突然呼び捨てって、ちょっと恥ずかしいしさ」
何だろう、この心が痒くなる感覚。
大学に入ってから、こんな初々としたのは初めてかもしれない。