腹黒い私の策略
まだ炒めしは半分ほど残っていたが、アツシはそのお皿を持って厨房の方へ消えていった。
「ありがと、ミナミ」
「うん。アツシが余計なことを言おうとしていたのは事実だし」
「アツシは悪くないよ」
アツシが言いたいことは分かっている。それは、間違っていることではない。むしろ正しい。
「間違っているのは多分私」
「でも、マサヒロだってコロッとヒカリに傾いちゃう辺り、案外私達が思ってるようなことは無いかもよ?」