レイアップ

図星だった。


調子が悪いのか、今年のチームは不作なのかは分からなかったが、強豪のはずのチームがこんな弱小校のチームに苦戦している。

勝てるかもしれない。

ベンチでそう思ったと時、ハナから試合を捨てていたおれの心に野心が沸き上がった。

これに勝てば準決勝。全国の出場枠は2チーム。この試合に勝てばあと一勝で全国に行ける。

少年がケラケラ笑いながらいった。

『全国。そりゃ目がくらんでも仕方ないよね』

「ワルいかよ。全国だぞ。 誰だって行きたいに決まってるだろ」

『誰だって?』

少年はまたクスクスと笑った。

< 122 / 194 >

この作品をシェア

pagetop