レイアップ
図星だった。
調子が悪いのか、今年のチームは不作なのかは分からなかったが、強豪のはずのチームがこんな弱小校のチームに苦戦している。
勝てるかもしれない。
ベンチでそう思ったと時、ハナから試合を捨てていたおれの心に野心が沸き上がった。
これに勝てば準決勝。全国の出場枠は2チーム。この試合に勝てばあと一勝で全国に行ける。
少年がケラケラ笑いながらいった。
『全国。そりゃ目がくらんでも仕方ないよね』
「ワルいかよ。全国だぞ。 誰だって行きたいに決まってるだろ」
『誰だって?』
少年はまたクスクスと笑った。