レイアップ


ミウは空に目掛けて右腕を挙げた。力のないシュートフォーム。だが、そんな弱々しいシュートフォームは、見とれるくらい美しく、しっかりとミウの右腕に馴染みきったフォームだった。当たり前だ。それは自分の母親からもらった大切な形見なんだから。

「お母さんが死んだ後、私は必死で練習した。来る日も来る日も、とりつかれたように3Pを打ち続けた。始めはリングにさえ届かなくてエアボールばっかり。チームメイトからはバカにされて、先輩からは一年のくせにそんなシュートフォームの練習なんて生意気だって怒られた。でも私は気にしなかった。どんなにバカにされても、先輩達から目をつけられても、お母さんが教えくれた3Pが入るまではやめるわけにはいかなかったの」

「そしてその努力の結果、見事自分のモノにした」

ミウは小さく頷いた。

「初めてそのシュートが入ったのは、チーム内での練習試合だった。試合終了のブザーと同時にボールはフープをすり抜けた」

「ブザービーターか。やるじゃないか」



















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