レイアップ
「シュウのプレースタイルはずっと変わらなかった。周りに頼らず、いつも一人。無表情で淡々とシュートを量産していく。試合の結果が勝とうが負けようが、それは同じだった。最初はね、お母さんが好きだったバスケをバカにされた気がして、腹が立ったんだと思ってた」
ミウの金色の髪が風に揺れた。綺麗な細い眉と、丸いおでこがチラリと覗く。
「でも違った・・・」
ミウは揺れる髪をかき分け、眉間にぐっとシワを寄せ目を細めた。でもその横顔は、苦しくも、切なそうにも見えなかった。むしろ笑っているようにさえ見える。
「私は自分自身にムカついていてたんだよ。自分自身の才能の無さに。ねえ、いつかシュウが私にいったよね?才能って何かなって」
もちろん覚えている。ミウに抱きしめられ、キスをしたあの日だ。思い出すだけで顔が赤くなる。
「才能だったら十分あるだろ。少なくともおれよりは」
ミウは大きく首を振った。