レイアップ

ポカリを渡すと、ミウは嬉しそうにそれをゴクゴクと飲み干した。ペットボトルの口についた艶やかな唇に思わず目がいく。

いったいどういうつもりなんだろうか。キスをしたあの日からミウの様子は全く変わらない。こっちは平静を装うので毎回必死だというのに。全く呑気なものだ。

そもそも、あのキスの意味はなんだったんだろう。予測不可能、謎だらけ。おまけに桁違いのバスケットセンス。
おれは、いつの間にかミウに惹かれていった。

こんなにも異性に対して興味をもったのは産まれて初めてかもしれない。中学の時はそれなりに付き合っていた女の子もいたし、キスもした。といっても爽やかなフレンチキッス程度だけど。そして、最後は私のどこが好きなの?と聞かれ、何も答えられずにフラれる。例えそれが自分の彼女であっても、常に相手と一定の距離をとろうとする癖がおれにはあった。相手が近寄れば後ろに下がる。決して自分からは無闇に近づかない。それは、何処と無くバスケのディフェンスに似ていた。

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