レイアップ
選手交代
次の日。
朝っぱらから、おふくろのやかましい声で目が覚めた。部屋の目覚まし時計は8時を少し過ぎたところ。
玄関の方からおふくろの話し声が聞こえた。
「あらー、久しぶりじゃない。どうぞあがって。あたしはこれから仕事だけど、あのこはまだ部屋にいるから。ちょとシュウー!いつまで寝てんの。さっさと起きな」
いったいこんな朝早くからどんな来客だろうか。夏休みの朝くらいゆっくり寝かせてほしい。
おれは、寝癖のついた頭をかきながら玄関へと向かった。
「じゃあ、あたしは仕事行くから、あと戸締まりよろしくね」
おふくろは、それだけいうとバタバタと出ていってしまう。
「いってらっしゃい」
見送りの挨拶をしたのはおれじゃなかった。
そこには一人の女が立っていた。
そんなに短くもないチェックのスカート、紺色のハイソックス、夏服の白シャツはしっかりと第一ボタンまで締められ、首もとには学校指定の細い赤のリボンが飾り付けられいる。
おれは、それを見て一気に目が覚めた。
(ミウの制服と一緒だ)