不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「ふたりで飲んでたのか」

「いえ、あの……」

 真那という総務の同僚もいました、と言おうとしたところで、風見さんが私ではなく藤野くんの真正面に立っていることに気づいた。

 ふたりとも背が高い。
 そのふたりが向き合っている状態を、傍で見るだけでも迫力満点だ。

「藤野、お前が飲ませたのか」

 風見さんの怒りの矛先が藤野くんへと向かっている。
 しかも、なにか誤解してるような気がする。

 この瞬間、私はスーっと酔いが醒めて、赤い顔が逆に青くなった。

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