不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「お疲れ様です」

 コーヒーを片手に内心ウキウキとしているところへ、ほかの人が休憩室に入ってきたのに気づいて顔を引き締めた。
 いかんいかん。今絶対に緩み切った顔をしていたに違いない。

「染谷さん。お疲れ様です」

 声のするほうへ視線を向ければ、それは同じチームの染谷さんだった。

「なんか……俺、邪魔でしたか?」

「なんのことだ」

 ニヤリと笑みを浮かべる染谷さんに対し、風見さんが動揺することなく答えた。
 さすが風見さんだ。王様みたいに貫禄がある。

 染谷さんは「いいえ、なんでも」と小さく首を振り、目の前の販売機にゆっくりとコインを投入した。
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