不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 再来週の十四日は、世間で言うところのホワイトデーだ。

 バレンタインデーは、結局チョコを渡しただけで終わってしまった。
 なのでホワイトデーは、ふたりで食事くらいできたらいいなと思い、自分から何気なく誘ってみたのだ。
 私だって恋人たちのためのイベントは、人並みくらいには楽しみたい。

「なにか食いたいもんでもあるのか?」

「い、いえ……別に。風見さんと一緒に食事ができたらそれだけでいいです」

「なんでもいいのか。じゃあうまいラーメン屋にでも」

「……ラーメン……ですか」

 たしかにリクエストはしなかったけれど、ホワイトデーの食事でラーメンって……
 ラーメンならいつでも行けると思う。ホワイトデーでなくても。

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