不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「あ、風見さん、居た居た!」

 第三者のその声で、トリップしていた世界から呼び戻された。
 振り向くと、染谷さんが休憩室の入り口に立っている。

「おっと。緒川さんが一緒だなんて思わなかったな。俺、また邪魔したんですかね?」

「話はなんだ?」

 染谷さんは風見さんを探しにやって来たのだろうけれど、私と居る現場を見つけるなりニヤリと笑うから、反対に風見さんが舌打ちでもしそうなくらいにギロリと睨んだ。

 そう言えば、以前にもこんなシーンがあったような気がする。

 あれはまだ年始早々だった。
 染谷さんがうちの部に異動になったばかりで、私と風見さんが付き合っていると知らないころだ。

 今はもう誰かから聞いたのか、染谷さんはその事実を知っているみたいだけれど。

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