不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「こうやって昼飯を食べるのも、まさか風見さんは妬く?」

「え?」

「それはないか。うまくいってる?」

 直球で聞かれると、恥ずかしくて思わず目を逸らしてしまった。
 だけどその質問には、はにかみながら小さく首を縦に振る。
 私の反応を見て、藤野くんも小さく笑った。

「このあいだは……本当にごめんね」

“このあいだ”とは…もちろん、あの夜のことだ。

 アパートまで送ってくれた藤野くんが、風見さんに睨まれてしまったあの夜。
 まさにあれは、藤野くんにとっては最悪な日だっただろう。

 だから前にもお詫びの言葉を述べたけれど、自然とまた“ごめん”と口にしていた。

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