不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「別に緒川さんは謝らなくていいって。俺もあのときは、勢いで思ってたことが言えた。」

 スッキリした、とでも言いたげに、藤野くんがそう軽やかに笑う。
 藤野くんが口にした“思ってたこと”というのは ―――

『風見さんが悪いんじゃないですか。付き合ってる緒川さんのことほったらかしにするからですよ。あなたにしては隙を作りすぎです』

 と、発言したことだろうか。
 あの時は、酔いも一気に醒めるくらい驚かされたけれど。
 でも思い返せば……藤野くんのやさしさを感じる発言だった。

「藤野くんのおかげだよ」

「ん?」


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