不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「明日は風見さんも借り出されるみたいだよ」

 私の頭の中を見透かす能力でも持っているのかと思うほどのタイミングで、染谷さんがボソリとそうつぶやいた。
 なんの話ですか? と小首を傾げると、私の反応を見た染谷さんが少しばかり苦笑いを見せた。

「さっき言った営業部主催の接待。明日の金曜らしいんだ。風見さん気に入られてるから、絶対一緒に付き合えって部長から言われると思う」

「そうなんですか」

 そうか……タイミングが悪い。
 でもその情報を聞いておけてよかった。料理は土曜にしよう。
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