不機嫌な彼のカミナリ注意報2
***

 なんとなく……異変のようなものを感じたのは、その土曜日だった。

「料理を作ったので、そっちに持って行ってもいいですか? 」と電話をしたら、風見さんから承諾の返事をもらって夕方にマンションを訪れたのだけれど。

「どうかしましたか?」

 思わずそう聞いてしまいたくなるほど、風見さんが無口すぎたのだ。
 いや、元々たくさん喋るタイプではないのだが、今日の風見さんは私が話していても相槌すらままならないことが多くて、どことはなく部屋の空間に視線をさまよわせている状態だった。

 夕食にはまだ早い時間だったので、キッチンで温かい紅茶を淹れ、風見さんの目の前のテーブルにそれをコトリと置き、私もちょこんと隣に座った。

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