不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「ぼんやりしている風見さんなんて珍しいですね」

「……まぁな」

「そんなんだと、あとで料理の上から唐辛子を山ほど振っててもわからなさそうです。しかも私がそれを真横でやっても」

「アホか。わかるわ。ちなみに何を作ったんだ?」

「ハンバーグです」

「絶対わかるだろ」

「わかりますか? じゃあ本当にやろうかな~」

「本当にやったら、それをお前の口の中に放り込んでやるからな」

 ――― 良かった。
 やっぱり私の冗談に反応してくれてこそ風見さんだ。

 こういう掛け合いの会話に恋人同士の甘さは少ないけれど、アハハと声に出して笑ってしまうほど、実は楽しい。

< 172 / 299 >

この作品をシェア

pagetop