不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 バカな会話って……。せっかく今、途中まで甘い感じの言葉を言っていたのに。
 それが続かないところが風見さんらしい。

「だいたい、俺に接待なんてものは向かない」

 今ちょっとだけ眉間のシワも取れて穏やかな表情になっていたというのに、昨日の接待の事を思い出したのか、再び風見さんの眉間にはシワが寄り始めた。

「風見さんは、第一営業部の部長に気に入られてるって、染谷さんから聞きましたけど」

「その部長が、どうしても俺も接待に付き合えって。……勘弁してほしい。あれなら会社で長時間残業してるほうがよっぽどマシだ」

「新しい担当者の人も、厄介な人だったりしたんですか?」

「………」


< 174 / 299 >

この作品をシェア

pagetop