不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 接待の愚痴をこぼした風見さんが、それまでとは打って変わって、私が質問を機に喋るのをピタリとやめてしまった。
 なにかまずいことを聞いてしまったのだろうかと、心配になってくる。
 新しい担当者がとても偏屈で、風見さんとは合わない人だったのかもしれない。

「いや、それはない。仕事はたぶんうまくいくだろう」

「それなら良いんですけど」

 私が笑みを向けると、風見さんの表情も幾分か緩んだ。

 だけどやっぱり昨日の接待で相当疲れたのか、いつもより風見さんは元気がない。覇気も迫力もなくなった感じだ。


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