不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 今のはいったいなんなのだろう?
 ふたりの会話……いや、風見さんの発言に聞き捨てならないことがあった気がする。

「ま、お前が今の状態できちんと仕事ができるならそれでいい」

 風見さんが飲み終えたコーヒーの紙コップをクシャリと握りつぶし、立ち上がってゴミ箱へと投入する。
 そしてそのまま休憩室を出て行ってしまった。

「風見さん、相変わらず噂通りだね」

 染谷さんは私の隣に腰をおろすと、クククと肩を少し揺らして笑った。
 なにがそんなにおかしいのかと、私は思わず小首をかしげる。

「相変わらずって……?」

「あの人、前に一年だけ横浜支社に居たんだよ。当時の俺とは部署が違ったから直接関わりはなかったけど」

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