不機嫌な彼のカミナリ注意報2
8.らしくありません
―――― 8. らしくありません
「あ、待って!」
仕事を終え、帰宅するため下に向かうエレベーターに乗り込んで扉を閉めようとすると、バタバタと走ってこちらに向かってくる人の姿が見えて、あわてて私は「開」のボタンを押した。
「ありがとう、緒川さん」
滑り込むようにエレベーターに乗り込み、にっこりと私にお礼を告げたのは塚原さんだった。
「お疲れ様です。塚原さんも今日はもう帰るんですか?」
ダッシュで走ってきたからか、少し息を切らしながらも塚原さんがコクリと首を縦に振った。
私たちを乗せたエレベーターが、ゆっくりと1Fへ向かって下降し始める。
「風見さんが忙しそうだから、私に出来ることがあったらなんでも手伝いますって言ったんだけど。手伝わなくていいから帰れって、追い返されちゃったわ」
おどけるように肩をすくめ、塚原さんが残念そうに苦笑いをした。
たしかに風見さんならそう言いそうだ。
「あ、待って!」
仕事を終え、帰宅するため下に向かうエレベーターに乗り込んで扉を閉めようとすると、バタバタと走ってこちらに向かってくる人の姿が見えて、あわてて私は「開」のボタンを押した。
「ありがとう、緒川さん」
滑り込むようにエレベーターに乗り込み、にっこりと私にお礼を告げたのは塚原さんだった。
「お疲れ様です。塚原さんも今日はもう帰るんですか?」
ダッシュで走ってきたからか、少し息を切らしながらも塚原さんがコクリと首を縦に振った。
私たちを乗せたエレベーターが、ゆっくりと1Fへ向かって下降し始める。
「風見さんが忙しそうだから、私に出来ることがあったらなんでも手伝いますって言ったんだけど。手伝わなくていいから帰れって、追い返されちゃったわ」
おどけるように肩をすくめ、塚原さんが残念そうに苦笑いをした。
たしかに風見さんならそう言いそうだ。