不機嫌な彼のカミナリ注意報２
　そうだ。私がもっと支えなきゃ。
　仕事で疲れた風見さんの心と体を、少しでも癒せる存在になりたい。

「だけど今日……風見さん、受付から来客って言われたとき、一段と不機嫌な顔で降りて行ったけど大丈夫だったの？」

　J&Uの仲里さんが来たときだ。
　あのあと風見さんは、しばらくして普通に戻ってきたけれど、たしかに変だった。

「トラブルじゃなかったみたいなので、大丈夫だと思います」

「それならいいんだけど……」

　そう話していると、エレベーターが1Fへと辿り着いた。
　扉が開いて、塚原さんに続いて私も降り立つ。
　するとすぐに、バタバタとこちらへ走り寄ってくる人影が見えた。

「寧々！　ちょうど良かった。今電話しようと思ってたのよ」

　走り寄って来たのは私と同期で受付をしている友達の美里と舞花だ。
　そんなふたりを見て、塚原さんが「お先に」と会釈して先に帰ってしまった。

< 199 / 299 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop