不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「清瀬さん、すみません。キリの良いところまでこの仕事をやっておきたいので、ランチはまた誘ってください」

 それは嘘ではなかった。
 本当に、今終えるにはキリが悪い計算作業の途中だったのだ。

 それに、同じチームの女性同士で行ったほうが、なにかと会話も弾むのではないだろうか。
 私がついて行ったらお邪魔のような気がする。

「あら、残念」

「せっかく誘ってもらったのに、ごめんなさい」

 次回はぜひ、とバツ悪く言い淀むと、清瀬さんは嫌な顔ひとつせずにゆるりと微笑んだ。

 男性社員にかなり人気なのがわかるほど、本当に清瀬さんは美しい人だ。
 言うまでもなく女性の色気とオーラまであって、同性の私でも見惚れてしまうほどに。
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