不機嫌な彼のカミナリ注意報2
そんな栞を見た瞬間、今日のアイツの顔がまた頭をかすめた。
今夜のデートのことを、アイツが楽しみにしていたのは知っている。
俺が誘う前に自分から言い出したくらいだから。
昨夜もわざわざ電話をしてきて、俺の仕事が早く終わりそうかどうか遠回しにたしかめてきた。
今日だって、朝からわかりやすいくらいに元気だった。
なのに、田中が強引に俺を接待に誘うのを見て、お人よしなアイツは気を遣ったのだ。
アイツは……いつもそうだ。
基本的に天然で不器用で鈍くさいくせに、他人のために自分が身を引く。
そんな謙虚なアイツを見ていたら、言っておかなければと思った。
――― 俺と、栞の関係を。
今夜のデートのことを、アイツが楽しみにしていたのは知っている。
俺が誘う前に自分から言い出したくらいだから。
昨夜もわざわざ電話をしてきて、俺の仕事が早く終わりそうかどうか遠回しにたしかめてきた。
今日だって、朝からわかりやすいくらいに元気だった。
なのに、田中が強引に俺を接待に誘うのを見て、お人よしなアイツは気を遣ったのだ。
アイツは……いつもそうだ。
基本的に天然で不器用で鈍くさいくせに、他人のために自分が身を引く。
そんな謙虚なアイツを見ていたら、言っておかなければと思った。
――― 俺と、栞の関係を。