不機嫌な彼のカミナリ注意報2
10.全ての感情を、あなたと
―――― 10. 全ての感情を、あなたと
今日は三月十四日。密かに楽しみにしていたホワイトデーだった。
けれど、風見さんとのデートはJ&Uの接待により中止になった。
私が自分から接待に行ってくださいと風見さんに進言したというのに、気を抜くと自然と暗い溜め息が漏れてしまう。
ダメだな。こんなんじゃ社会人失格だ。
「まだ帰らないの?」
不意にそう声をかけられて、ボーっと見つめていたパソコン画面から顔を上げると、私のデスクの脇に染谷さんが立っていた。
時計を見ると、すでに定時から二十分ほど過ぎている。
「あぁ……もうこんな時間だったんですね」
そういえば隣の笹岡さんがさっき、「お先に」って私に声をかけて帰って行ったような気がする。
首を伸ばして藤野くんのデスクを見ると、そこには居なくて綺麗に片付けられていていた。
あぁ、そうか。藤野くんは今日は外出先から直帰だ。
今日は三月十四日。密かに楽しみにしていたホワイトデーだった。
けれど、風見さんとのデートはJ&Uの接待により中止になった。
私が自分から接待に行ってくださいと風見さんに進言したというのに、気を抜くと自然と暗い溜め息が漏れてしまう。
ダメだな。こんなんじゃ社会人失格だ。
「まだ帰らないの?」
不意にそう声をかけられて、ボーっと見つめていたパソコン画面から顔を上げると、私のデスクの脇に染谷さんが立っていた。
時計を見ると、すでに定時から二十分ほど過ぎている。
「あぁ……もうこんな時間だったんですね」
そういえば隣の笹岡さんがさっき、「お先に」って私に声をかけて帰って行ったような気がする。
首を伸ばして藤野くんのデスクを見ると、そこには居なくて綺麗に片付けられていていた。
あぁ、そうか。藤野くんは今日は外出先から直帰だ。