不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「ホワイトデーに、何を返そうかって考えたとき……俺は気づいたんだ。お前にはいつも貰ってばかりだってことを」

「え?! そんなことはありませんよ」

「いや、そうなんだ。お前は無自覚で鈍感だから気づいてないだけで、俺はずっとお前からいろんなものを貰い続けてる」

 いつも貰ってると言われるほど……私が風見さんになにかを渡した覚えはない。

 バレンタインだって、結局チョコを渡しただけだった。
 義理チョコには見えない本命チョコを奮発したけれど。

 そんなチョコのお返しで、悩むほどのことではないのではないかと思うと、言われた意味がまったくわからなくて無言にしかなれない。

 なので、真剣な眼差しを向けてくる風見さんの次の言葉を待った。


< 292 / 299 >

この作品をシェア

pagetop