不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「少しずつ、ぶ……分割払い、ってことですか…?」

「そこで色気のないことを言うなよ」

 私の言葉に反応した風見さんの眉間に、クイっと小さく皺が寄る。
 でもそれは、私が興ざめな言葉を言ってしまったのが原因だ。

「お前……まさかとは思うけど、それの意味がわからないとか言わないだろうな?」

 声に不機嫌色を乗せ、眉間に皺を寄せたままの状態で、風見さんが私の左手の箱をビシっと指差して言う。

「え……いや……ホワイトデーだから、とか……そういう意味ではないとは思いますが……」

「当たり前だ!!」

 間髪いれずに言葉が返って来て、その異常な速さに単純に私は驚いた。

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