不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「ムードも何もないな。お前は怪我してボロボロだし。……なんだこれ」

 風見さんの言うとおり。

 今の私は右手と右膝から流血していて、服も汚れていて、きっと髪も振り乱れている。

 こんなボロボロな私にプロポーズしてくれた風見さんは……
 本当に奇特で、本当に素敵な人だと思う。

「まぁでも。お前がこんな無鉄砲だが感動的なことをするから、仕方ない」

「え?」

「途中で怪我をしてまで俺を追ってきたお前に、少なからず感動したんだ、俺は」

 怪我の……功名?
 風見さんの今の言葉のほうが、よっぽど感動的です。


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