不機嫌な彼のカミナリ注意報２
　しばらくすると、清瀬が戻ってきた。

「風見さん、これ、第二営業部の小谷さんからです」

「ああ……助かった」

　企画部に行って、その足で営業部に寄ってきたのか。
　思わず時計の針を見た。思っていたよりも短時間でこなしている。

　塚原のチームを手伝えと言われたとき、大脇や清瀬といった名前を聞くだけで、部下はポンコツばかりかと思わず溜め息を吐きそうになった。
　だが、意外にも清瀬は使える。……まぁまぁのレベルだ。

　清瀬は新しくチームリーダーになった塚原と同期だから、若いと言ってもこの春になれば入社六年目になる。

　だんだんとフレッシュさは消え、美人だと賞されるだけでは会社で生きていけないと悟ったのか。
　もしくは、塚原の出世が刺激になったのかはわからないが、最近は仕事に意欲が出てきたように思う。

　同じ部の人間としては、それは喜ばしいことだ。
　あとはその腹黒で性悪な性格を直してもらいたいものだけれど。

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