不機嫌な彼のカミナリ注意報２

　アイツが笹岡とどうにかなっているわけがないだろう。
　根拠もないのに、女の勘だけでそんなふうに決め付けるほうがおかしい。

「お前……もしかして……」

　笹岡に浮気の仕返しがしたい、というだけなら、なぜ相手が俺なのか。
　俺じゃなくても、もっと安易に誘いに乗る男のほうが手っ取り早いだろうに。

　……だけど、それには理由があった。

「俺とお前がどうにかなれば、緒川が苦しむと思ったのか」

「………」

「そうなんだろ？」

「はい。彼と緒川さん、同時にふたりが傷つく方法でしょ？」

「ふざけるなよ！」