龍泉山の雪山猫
ドンという音と共にわたしたちのいる神殿が大きく揺れた。そして、強い風が神殿の壁を何度も叩きつけた。
部屋を灯していた行灯が次々と消えて行き、あっという間に真っ暗になった。
わたしが驚いてアオの着物を掴むと、彼はゆっくりとわたしの口から手を話した。
「声を出すな。ここから絶対に動くな。出てくるな、わかったか。」
アオは聞こえないくらいの小声で囁く。彼の真剣な目に、わたしはただ頷いた。アオはそのままわたしを置いて神殿の外へと出て行った。閉められた戸の向こうからアオの足音は聞こえず、ただ揺れる部屋のきしむ音が響き渡った。
それからしばらくして、風がなくなり、部屋の揺れも治まった。
何が、あったんだろう。地震、ではなかった。ここに来るまで晴れてたから、嵐が来たわけでもない。それに嵐だったら今頃雨の音が聞こえてくるはず。何より、地震や嵐でアオがあんな行動をとるとは思えなかった。
アオ、大丈夫かな...。
動いちゃダメだって言われたけど、どうしても気になってわたしは音を立てないように四つん這いのまま戸の方に進み、そっと戸を開いた。拝殿から外へ出る戸が開いていて、月明かりが床を照らした。
わたしはそっと立ち上がり、ゆっくりと歩き出した。
部屋を灯していた行灯が次々と消えて行き、あっという間に真っ暗になった。
わたしが驚いてアオの着物を掴むと、彼はゆっくりとわたしの口から手を話した。
「声を出すな。ここから絶対に動くな。出てくるな、わかったか。」
アオは聞こえないくらいの小声で囁く。彼の真剣な目に、わたしはただ頷いた。アオはそのままわたしを置いて神殿の外へと出て行った。閉められた戸の向こうからアオの足音は聞こえず、ただ揺れる部屋のきしむ音が響き渡った。
それからしばらくして、風がなくなり、部屋の揺れも治まった。
何が、あったんだろう。地震、ではなかった。ここに来るまで晴れてたから、嵐が来たわけでもない。それに嵐だったら今頃雨の音が聞こえてくるはず。何より、地震や嵐でアオがあんな行動をとるとは思えなかった。
アオ、大丈夫かな...。
動いちゃダメだって言われたけど、どうしても気になってわたしは音を立てないように四つん這いのまま戸の方に進み、そっと戸を開いた。拝殿から外へ出る戸が開いていて、月明かりが床を照らした。
わたしはそっと立ち上がり、ゆっくりと歩き出した。