龍泉山の雪山猫
家の前に着くとわたしの後ろを歩いていたジンタが足を止めた。
「じゃ、俺は片付けの手伝いに戻るよ。ミチおばさんにも言っておくから...。お前はゆっくり休んでおけよ。」
何も言わずにうなずくわたしを見て、ジンタは山の方へ歩いて行った。
「ただいま。」
家の戸を開けると、縫い物をしていたお母さんが立ち上がってわたしを出迎えてくれた。
「おかえり、サチ。」
元気そうなお母さんの顔を見てほっとした。
「ごめんね、神社まで迎えに行きたかったんだけど、やっぱり山道はやめておこうと思って。」
「ううん、気にしないで。」
「そうだ。ジンタ君から聞いた?」
お母さんはとても嬉しそうにわたしの答えを待っていた。
「うん。そのことなんだけど…。」
「良かったわね、サチ!ジンタ君のお父さんもお母さんもとってもいい人達だから、きっとよくしてくれるよ。お母さんのことは心配しないで。少しずつだけど元気になってるから。」
「お母さん…。」
「サチ、きっと幸せになるのよ。」
お母さんの涙ぐむ目を見て、わたしは何も言えなかった。
「じゃ、俺は片付けの手伝いに戻るよ。ミチおばさんにも言っておくから...。お前はゆっくり休んでおけよ。」
何も言わずにうなずくわたしを見て、ジンタは山の方へ歩いて行った。
「ただいま。」
家の戸を開けると、縫い物をしていたお母さんが立ち上がってわたしを出迎えてくれた。
「おかえり、サチ。」
元気そうなお母さんの顔を見てほっとした。
「ごめんね、神社まで迎えに行きたかったんだけど、やっぱり山道はやめておこうと思って。」
「ううん、気にしないで。」
「そうだ。ジンタ君から聞いた?」
お母さんはとても嬉しそうにわたしの答えを待っていた。
「うん。そのことなんだけど…。」
「良かったわね、サチ!ジンタ君のお父さんもお母さんもとってもいい人達だから、きっとよくしてくれるよ。お母さんのことは心配しないで。少しずつだけど元気になってるから。」
「お母さん…。」
「サチ、きっと幸せになるのよ。」
お母さんの涙ぐむ目を見て、わたしは何も言えなかった。