龍泉山の雪山猫
わたしたちはそれからしばらく何も言わずに青い花の中に座って月を眺めた。
その間、アオはつないだわたしの手を離そうとしなかった。
静かに時が流れていく。
「疲れただろう。帰るか?」
目をこするわたしに気付いたのか、アオが沈黙をやぶった。
彼はわたしを抱き上げて地面を蹴った。
アオの肩越しに見えた青い花畑が綺麗に輝いていた。
無言のままアオはゆっくりと空を飛んでいく。そして、あっという間にわたしたちは龍泉山の境内に着いた。
神社の前に降り立つと、アオはわたしを地面に下ろして拝殿の戸を開いた。
「お前、家には帰れないだろ?ここに好きなだけ泊まっていけ。人間が来てもお前の姿が見えないように結界をかけてやる。」
「ありがとう...。」
家に戻ることを考えると、ジンタを思い出して胸が痛んだ。
今頃ジンタ、どうしてるんだろう...。
ため息をついたわたしを見て、アオはわたしを抱き寄せた。
アオの柔らかい髪がわたしの頬に触れる。
「お前、今あの小僧のことを考えていただろ...?」
「ジンタのこと?うん...今頃どうしてるかなって。」
「考えるな。」
「え?」
「あいつのことは考えるな。」
そう言ってアオは一瞬わたしを離したかと思うと、わたしに口付けをした。
初めての、あの青い花畑の時とは違う...。
熱い口づけがわたしの体を麻痺させる。身体中が熱い...。苦しい。
でも、やめてほしくない。
わたしはアオの首に腕をまわした。
彼もわたしを更に力強く抱きしめた。
ゆっくりと時が流れていった...。
「愛してる。」
口付けを止めてアオが囁く。わたしは彼の胸に顔をうずめた。
「わたしも...。」
アオの温かい胸の中に、このままずっといたい。
どこにも行きたくない。
だけど、それは叶わない願いだった。
その間、アオはつないだわたしの手を離そうとしなかった。
静かに時が流れていく。
「疲れただろう。帰るか?」
目をこするわたしに気付いたのか、アオが沈黙をやぶった。
彼はわたしを抱き上げて地面を蹴った。
アオの肩越しに見えた青い花畑が綺麗に輝いていた。
無言のままアオはゆっくりと空を飛んでいく。そして、あっという間にわたしたちは龍泉山の境内に着いた。
神社の前に降り立つと、アオはわたしを地面に下ろして拝殿の戸を開いた。
「お前、家には帰れないだろ?ここに好きなだけ泊まっていけ。人間が来てもお前の姿が見えないように結界をかけてやる。」
「ありがとう...。」
家に戻ることを考えると、ジンタを思い出して胸が痛んだ。
今頃ジンタ、どうしてるんだろう...。
ため息をついたわたしを見て、アオはわたしを抱き寄せた。
アオの柔らかい髪がわたしの頬に触れる。
「お前、今あの小僧のことを考えていただろ...?」
「ジンタのこと?うん...今頃どうしてるかなって。」
「考えるな。」
「え?」
「あいつのことは考えるな。」
そう言ってアオは一瞬わたしを離したかと思うと、わたしに口付けをした。
初めての、あの青い花畑の時とは違う...。
熱い口づけがわたしの体を麻痺させる。身体中が熱い...。苦しい。
でも、やめてほしくない。
わたしはアオの首に腕をまわした。
彼もわたしを更に力強く抱きしめた。
ゆっくりと時が流れていった...。
「愛してる。」
口付けを止めてアオが囁く。わたしは彼の胸に顔をうずめた。
「わたしも...。」
アオの温かい胸の中に、このままずっといたい。
どこにも行きたくない。
だけど、それは叶わない願いだった。