龍泉山の雪山猫
龍族の掟
突然大きな音がして辺りが真っ赤になった。
わたしたちの周りを強い熱風が吹く。アオがわたしを守るようにわたしに覆いかかると、熱風が止まって少し寒くなった。
「出てこい、アオ。」
熱風と騒音が止まったかと思うと、雷の轟くような声が聞こえた。
この声は...。
「カナタ様。」
アオはそう言ってわたしを離した。
「ここで、じっとしていろ...。俺がどうなろうと、動くなよ。」
アオは聞こえないぐらい小さな声でわたしに囁いた。
そして彼は顔を上げずにゆっくりと数歩前に進んで地面に膝をついた。
見上げた空には炎を帯びたカナタが浮かんでいた。そして、その隣にはカナタの頭の大きさぐらいしかない小さな体の白い龍がいた。
「暇つぶしに貴様の様子を見ようと降りてきたが...貴様、今その人間の娘に何をしていた?」
「何も...していません。」
「嘘を抜かすな!!!」
ものすごい速さで地面に降りてきたカナタは金色に輝く鉤爪でアオの体を掴み、地面に押し付けた。
「龍族の掟を忘れたわけではないな...?」
「わ、忘れておりません。」
アオは苦しそうに答えた。
「だとしたらなぜあの娘を抱擁していた?!龍は人間とは結ばれてはならぬ。それは古代から守られてきた掟だ。龍族から捨てられたからといって、この掟を破れば死罪だ!!」
カナタの鉤爪がアオの体に食い込む。
苦しそうに声を上げるアオ。
わたしたちの周りを強い熱風が吹く。アオがわたしを守るようにわたしに覆いかかると、熱風が止まって少し寒くなった。
「出てこい、アオ。」
熱風と騒音が止まったかと思うと、雷の轟くような声が聞こえた。
この声は...。
「カナタ様。」
アオはそう言ってわたしを離した。
「ここで、じっとしていろ...。俺がどうなろうと、動くなよ。」
アオは聞こえないぐらい小さな声でわたしに囁いた。
そして彼は顔を上げずにゆっくりと数歩前に進んで地面に膝をついた。
見上げた空には炎を帯びたカナタが浮かんでいた。そして、その隣にはカナタの頭の大きさぐらいしかない小さな体の白い龍がいた。
「暇つぶしに貴様の様子を見ようと降りてきたが...貴様、今その人間の娘に何をしていた?」
「何も...していません。」
「嘘を抜かすな!!!」
ものすごい速さで地面に降りてきたカナタは金色に輝く鉤爪でアオの体を掴み、地面に押し付けた。
「龍族の掟を忘れたわけではないな...?」
「わ、忘れておりません。」
アオは苦しそうに答えた。
「だとしたらなぜあの娘を抱擁していた?!龍は人間とは結ばれてはならぬ。それは古代から守られてきた掟だ。龍族から捨てられたからといって、この掟を破れば死罪だ!!」
カナタの鉤爪がアオの体に食い込む。
苦しそうに声を上げるアオ。