あの日の空の色
―――居酒屋を後にしたアタシ達は、ヨッチャンのアパートに向かっていた。
金をかけない“二次会”だ。
男組は先にアパートに向かい、アタシ達女組は、途中コンビニに寄って酒やらつまみやらを買い込んで、少し遅れてアパートに着いた。
ヨッチャンのアパートは、一軒一軒が独立した造りになってたから、酒を飲みながら騒ぐには都合が良かった。
アタシ達が着いた時には、男達はすでに焼酎のお茶割りに口をつけていた。
アタシは部屋の一番奥に座る時田の横を、ちゃっかりキープした。
…とは言っても、アタシ以外、誰も好き好んで時田の横に座ろうとするヤツなんて居なかったと思うけど。
アタシの行動はいつも分かりやすい。
…らしい。
それは付き合いの長さに関係なく、(本人含め)周りの誰もが気づくほど、あからさまらしい。
でも、そんな事はまるで気にはならなかった。
むしろ手っ取り早いと思っていた。
回りくどい計算も、意味の無いネコかぶりも、アタシには一切必要無かった。