あの日の空の色
その場にいた誰もが、当然気づいていた。
アタシの全神経が、時田に向かっている事に。


…でも当の時田は、そんな事にはお構い無しで、ただその場を楽しんでいる様だった。

アタシに素っ気ない態度を取る訳でもなく、かといって喰らいついてくる訳でもなく…


そのうち時田はその場にゴロンと寝転がり、10分もかからないうちに眠ってしまった。


《ふ~ん、つまんない…》


――それから一人潰れ、二人潰れ…、気がつくとアタシもその場で寝入ってしまってた。

目を覚ますと、時田が座って煙草を吸っていた。


『おはよー。』

『おぅ。』


外はすっかり明るく、時計は6:30を少し過ぎたとこだった。


『早くない?』

『早かねーよ。オレはこれから仕事だよ。』
『へ?ゴールデンウィークじゃん。休み無いの?』

『そんなもんオレにはねぇよ。日曜日だって関係ねぇし。』

『…じゃ、もう行くんだ…?』


灰皿で煙草をもみ消して…

『ん。』

そう言って時田はアタシの目の前に、開いた携帯を突き出した。

時田のプロフィール画面だった。
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