あの日の空の色

―――2日後の土曜日、お昼過ぎまで寝ていたアタシは、焦って飛び起きた。

『ヤバッ』

あわてて携帯を開いた。着信もメールも、一件も受け付けた様子は無かった。

ホッとしたのと同時に、今度は不安になってきた。


時田は確かに『今度の土曜日』と言っていたはずだったのに…


おととい電話で話した時には、
『仕事が忙しいから、手があいたら連絡する』
とだけ言われて電話を切られた。


邪魔になったらいけないから…と、アタシから連絡するのは控えていた。
それっきり時田からの連絡も無いままだった。


目が覚めてから約一時間。

《忙しいって言ってたし、今日はナシかな》

そう思ってパジャマのままダラダラしているところへ、時田からの電話が入った。


『おー。今から迎えに行くから、準備しとけよ。30分くらいで着くから。じゃあな。』

『え!ちょっ…!』


何も言えないまま電話は勝手に切られた。


《ちょっと待ってよ!》

心の中で叫びながらも、アタシはとにかく準備に取りかかった。


…それにしても。
なんて勝手な男だろう。
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