私には嫌いなものが多すぎる。




「真桜っ…!」



ベンチに座って静かに泣き続けてどれくらいたったのだろうか。




黒く厚い雲に覆われて今にも泣きだしそうにしている。



そしてその雲のせいで月も隠されさっきよりあたりが暗い。






「春姫…」





春姫を見上げながら出た声はかすれた声。



春姫は私を抱きしめポンポンと数回背中をたたく。





それは、春姫が私を慰めるときの癖で私は春姫に抱き付きながらまた泣き続けた。










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